出土品解説

土製品の種類
土偶
土偶
人をかたどったもので、乳房の表現が多いことから女性や母性を象徴化したものといえます。女性だけに可能な出産という重要な行為から、人の受胎、死、再生という祈りの祭に用いられたものと考えられています。土偶は故意に壊され破片の状態で出土しますが、破片がまとまっていることはなく、同じ土偶の破片でも離れて見つかります。土偶の破壊をともなう祭が広場で行われ、その破片を人々が持ち帰ったことが想定されています。
耳飾
耳飾
孔をあけた耳たぶにはめ込んだ装身具で、現在のピアスに相当するものでしょう。径1cmほどの円柱状と、径3〜7cmの円盤状や環状のものが12点出土しました。文様が施され、赤く塗られたものもあります。
垂飾
垂飾
紐で吊るしてペンダントのような装身具として使われたものでしょう。勾玉形や二股形など3点出土しました。
玉
孔に紐を通し複数をつらねて装身具として使われたものでしょう。管状のものが3点出土しました。
スタンプ形土製品
スタンプ形土製品
上につまみがあるスタンプの形に似た製品です。文様が施され、つまみの部分には横からの孔があることから、これに紐を通して耳飾や腰飾に使用した説があります。
土錘
土錘
網の下側につけた錘や釣り針にそえたものと考えられ、有溝形が2点出土しています。
有孔球状土製品
有孔球状土製品
貫通した孔があり、球状と俵状のものがみられる。文様が施文される俵状の形は後期のもので、腰飾の説があります。晩期では球状で無文のものになり、糸をつむぎ撚りをかける道具の紡錘車や穿孔用の弾み車とする説があります。
円盤
円盤
円盤は土器の破片を打ち欠いて円形に成形しています。真ん中に孔のあるものと無いもの、側面を磨った滑らかなものがあります。径は2〜7cmの大きさで、完形品158点のうち孔のあるものと孔あけ中のものは35点で、土器片の文様からほとんどが晩期の時期です。日常の用具としては量が少なく、祭の道具や装飾品の説もありますが、孔のあるものは、糸をつむぎ撚りをかける紡錘車の説があります。