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- 種類
- 重要無形文化財 工芸技術
- 名称
- 蒔絵 中野 孝一
- よみ
- まきえ なかの こういち
- 所有者または管理者
- 中野孝一
- 所在地
- 野々市市
- 指定年月日
- 平成22.9.6
蒔絵は、漆芸の装飾技法の一つであり、漆で描いた下絵に金粉、銀粉などを蒔き付けることにより、文様を表す技法です。技法の源流は奈良時代にみられ、平安時代以降、高度に発達しました。蒔絵は、貝を用いる螺鈿[らでん]、金属板を用いる平文[ひょうもん]、卵の殻を用いる卵殻などの技法と併用されることが多く、幅広い表現が行われています。
中野孝一氏は石川県に生まれ、大場勝雄(雅号:大場松魚、昭和57年重要無形文化財「蒔絵」〈各個認定〉保持者)に師事し、蒔絵を中心とする伝統的な漆芸技法を幅広く修得し、その後さらに蒔絵技法およびその表現について研究を深められました。この功績から、平成22年(2010)に重要無形文化財の保持者として指定されました。
中野氏の作品は高蒔絵の技法を特徴とするほか、変り塗を応用した独自の蒔絵技法や研出蒔絵、螺鈿、平文、卵殻等の技法を併用し、多彩な表現を行っています。作品には、兔[うさぎ]や栗鼠[りす]など可憐な小動物の躍動感に満ちた姿を生き生きと表現し、軽妙洒脱な独自の作風として、高く評価されています。